皆様こんにちは!
聖徳太子の十七条「五」憲法について聞いたことありますか?
学校で習った十七条の憲法ではなく、十七条「五」憲法です!
十七条「五」憲法は、十七条の憲法の前身とされています。
五憲法というのは
- 全ての人に通じる教えである、通蒙憲法
- 政治家に向けた、政家憲法
- 儒教を学ぶ者への、儒士憲法
- 神職の者に向けた、神職憲法
- 僧侶と仏教を学ぶ者への、釈氏憲法
これらの五つの憲法を指し、それぞれ十七条あり、また総論の十七条を加えた百二条から成り立っています。
通蒙憲法を見ても、よく知られる十七条憲法とは中身が異なっているようです。
この記事では、十七条五憲法の誕生背景や内容について紹介していけたらと思います。
聖徳太子の【十七条「五」憲法】の誕生背景は?
憲法誕生の背景は、聖徳太子が推古天皇に発願したことにあります。
これまでは天皇も家臣も誠実な心を持ち、庶民は天皇を敬い悪い心を持っていなかったため、規則や禁令を作る必要がありませんでした。
しかし、世の中がだんだんと生まれつき正直さを失くしてしまい、悪い心を持つようになってしまいます。
そういった国内情勢の中で、聖徳太子は推古天皇にお伺いをたて、憲法を作り世に示すことを詔されます。
ここでまず憲法十七条が制定され、天皇に献上されました。
これを受けた天皇は、さらに政家、儒家、神職家、釈氏家、それぞれの憲法を作ることを詔されます。
これが冒頭の政家憲法、儒家憲法、神職憲法、釈氏憲法です。
なぜ十七条なのか?
憲法誕生の背景についてみてきましたが、聖徳太子は憲法を著す際に、何を参考にされたのでしょうか?
憲法が十七条であることも理由がありますが、それは鹿の角にありました。
ある文献によると天皇に白い鹿が献上されます。
その鹿は普通の鹿よりも多い十七に枝分かれた角を持ち、角の付け根に文字が見られたのです。
その文字が以下の十七文字です。
- 琴
- 斗
- 月
- 台
- 鏡
- 竹
- 冠
- 契
- 龍
- 花
- 日
- 車
- 地
- 天
- 水
- 籠
- 鼎
十六に枝分かれした角を持つ鹿は、仙鹿の王と呼ばれ万年に一度現れるという貴重な鹿ですが、この白鹿はさらに多い十七です。
聖徳太子は天の啓示だと悟り、十七という数を天の示した法と読み、十七の理として憲法を興したのです。
聖徳太子の【十七条「五」憲法】の内容は?
普通憲法といえば、人の行動を制限したり拘束したりし、反すれば罰則を設けるなど、人は悪いことをしてしまうことを前提にしています。
しかし、聖徳太子が著した十七条五憲法は、道徳的で哲学のようなものといってよいです。
そもそも世の乱れから憲法制定を発願したわけなので、推古天皇により付け加えられた、四家の憲法の中でも特に神・儒・仏の三法についてどれにも偏りなく重んじるように説かれています。
聖徳太子は政を正しくする学問を需教・仏教・神道であるとし、天の法としました。
この三法に偏りなく通じることが、正しく国家を治め、人の心を正しくし、善くすると説いたのです。
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